こんばんはー茜です


先日、以前書いた香川県坂出市の人工土地に行った記事を読んだ関係者から、コメントをいただきました。

2016年12月21日

コメント:

坂出アートプロジェクト人工土地会場で「人工土地勝手に設計部部長」として活動している大学院生です。たまたま記事を発見したので嬉しくてコメント書きます。

自分は大学の卒業論文で人工土地をリサーチし、住人の生活実態や暗黙のルール、人工土地のコミュニティ形成について論文にまとめました。
調査課程で増築したお風呂にも入れてもらったことがあります笑

そうしたことを活かし、茜さんの望まれるガイドツアーを坂出アートプロジェクト2017(会期8/12〜9/10まで)で現在絶賛実施中です。

保存活用か、解体かという帰路に立たされる中で、少しでも多くの方に人工土地の価値や可能性を知ってもらいたく、茜さんのように文章で面白く伝えていらっしゃる方がいてくださってありがたいです。


どーやら、人工土地好きの学生たちが何かやってるらしい。
しかもそれがガイドツアーらしい
しかも今読み返すとわかりづらいあたしの文章を喜んでくれているらしい

・・・行きたい。


もともと近々香川に行く用事があったので、夫に話すと時間をとってくれるとのこと

夫にしては初めての人工土地
しかもよく知らないし興味も別にない


そんな夫が・・・・




変わった。


*実は今回写真を一枚も撮らなくて。
ガイドツアーがおもしろすぎたのと、2歳の娘を気にかけながらだったので写真なんか撮っていられなかったんす
そのことに、今死ぬほど後悔しておる。

・・・ってわけで、今回の写真は去年撮った写真の使い回しになります
いずれまた人工土地で写真を撮ったら差し替えます


●ガイドツアーでいざ、探検へ!

人工土地とは、詳しくはWikipediaや 検索して一枚目に出てくるサイトを読んでもらうとわかりやすいんやけど

ざっくりゆうと、今から50年前に建てられた立体都市。

しかも市営住宅。

一階に駐車場や店舗、アーケード、市民ホールがあり、その上を巨大なコンクリートで覆い第二の土地とする。
そしてその第二の土地に、なんと市営住宅や公園、畑を作っているんである。
しかも市営住宅も4期に分けて作られたので、形も向きもバラバラ。
いたるところに階段やスロープや扉があり、まるで迷路のような異空間となっている。

面白い建物が好きな人なら、絶対興奮間違いなしである。
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私たちが人工土地に降り立ったのは、まだ明るい夕方。
イオンに車を停め、北出口から外に出ると、独特の雰囲気を持つ建物が目の前に見えていた。

国道に面した大通りにアートプロジェクトの看板を見つけ、一階にあるアーケードへ。

自動代替テキストはありません。

人工土地一階のアーケードには飲み屋が軒を連ねてるんやけど、その時間はまだほとんどが開いてなかった。
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薄暗いアーケードの空き店舗の一室がアートギャラリーになってた。
人工土地の模型を展示してて、一目でわかるようになってた。

そこで模型を見てたら、たまたま入ってきた男性がコメントをくれた“人工土地勝手に設計部”さんだった。
快くガイドを買って出てくれるセッケイブさん。
どうやらミスチルのファンの様子。TシャツがライブTシャツやったもん。

(なんか『月光条例』のヒロインみたいな名前やな


*ヒロインの名前がエンゲキブ)


以前友達と見に来たときは「スゴイ!!」って感想しか持ちようがなかったけど、人工土地を熟知したセッケイブさんの説明で、住民の暮らしぶりや建物のことがよくわかるにつれ、新たな視点で探検することができほんとーーーに!おもしろかった。

夫も次々現れる建築物+住民の工夫が織りなす不思議な空間にすっかり虜になり、テンションUP UP

興味がない人を惹き込むってスゴイことやと思う・・・。


●人工土地の柔軟性と人間の創意工夫を感じた

ネットで人工土地を調べるうちに私がびっくりしたことの一つが、部屋の中にお風呂がないってことやった。

セッケイブさんの説明によると、

人工土地の真横に銭湯があったことで、あえてお風呂をつけずに設計する。
(銭湯との約束)
 ↓
銭湯のお婆さんがなくなり、廃業に
 ↓
人工土地に激震が走る
 ↓
住民の大工さんが、ベランダっぽいところにお風呂を増築する
 ↓
皆がうちもうちもって
 ↓
結果、コンクリの建物があちこちトタンやベニヤで覆われるハメに(お風呂や物置)
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人工土地の団地は、建物が全部こじんまりしてるんですよ。
やっぱり相当狭いみたいで、住民の、空間をいかに利用してやろうかってゆー創意工夫をビンビン感じました。

4期に分けて作られたとゆー団地一つ一つが向きやデザインが違っていて、建築家の大高正人氏の、建物への愛、住民への愛をいたるところで感じました。

住めたらいいだろう、安く早く完成したらいいだろう・・・

そーゆう発想が最初からなくて、

コンクリートの上で健康に暮らせるために、花壇をたくさん設計したり、
公園を作ったり、
木を植えたり、
階段の形が全部違ってたり、
アーチ状のデザインを多用したり・・・。
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人工土地は坂出市の中で、最も緑多い住宅地になっているそう。
 
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住民も狭い花壇に温室を作ったり、野菜や花を植えたり、物干しざおを共有で使ったり、創意工夫で狭さをカバーしていました。
不便なことはいろいろありそうですが、住民同士の距離が近いというか、“お互いさま”で譲り合ったり助け合ったりしているのが伝わってきました。

犬を飼っている世帯や、メダカをいっぱい育てている方もいて、生活感がとてもにじみ出ていました。


設計者の大高氏は、住民が独自に建物に手を入れていることをどう感じていたんでしょうか?
それについては、記録がないそうです。
でも建物も住む人のことも愛している人だから、住民の工夫で団地が進化していく様子に喜んだと思います!


●人工土地、実は穴場のバラ園だった!

人工土地、市民ホールとも繋がっているんです

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中央の狭い階段を上ると、公園があります。

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もともとは児童公園だったんですけど、子供が減り住民が高齢化してくると、遊具も壊れゴミも散乱するようになったそう。

でも腐っても鯛、やっぱりそこは人工土地。

日本の近代建築に大きな影響を与えた、唯一無二の建物です。
建築を学ぶ若者たちもしょっちゅう見学にやってきます。

これじゃいかんってことで、住民が花壇にバラを植え始めたことがきっかけになって、今じゃ春にイベントも開かれるほどのバラ園になっているとゆーことです。

今年5月に開かれたイベントのフライヤを発見しました!



「天空のバラ園」って素敵なネーミングですね・・・!
5月に香川に行くチャンスがあったら、ぜひ行ってみよう♪


ちなみにこの市民ホールの上も階段状の団地になっています。
上の家の人は、下の家の屋上を自由に使うことができます
物干し場にしたり、ちょっとした庭にしたり。
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このホールの利用率は高くて、階段状の住民はホールの音がよく響いてくるそうです

ただでコンサートが聴ける♪

・・・とは思うなかれ、夜の10時を過ぎても本番の練習をしている音が響いてくるそうですから


人工土地は、団地以上の複合施設なのです



●いつも見ている人工土地のことを県民はよく知らない

実は今回のガイドツアーに、空き部屋を見学できるって内容がなかったんですよね。
去年もセッケイブさんがツアーガイドしてて、去年は入ることができたらしいです。
でも今年は市からの許可が下りなかったとのこと。

最初にコピペしたコメントに、

保存活用か、解体かという帰路に立たされる中で、少しでも多くの方に人工土地の価値や可能性を知ってもらいたく

とゆー一文がありました。

実は、人工土地の団地は現在一般公募をしていません。
一部が耐震をクリアしていないことがわかり、補強するのか、このまま住民が減るに任せてゆくゆくは消滅かの、判断がつかないでいるのです

なので人工土地の希少性を理解している人たちが、人工土地の可能性をあれこれ探ってアートプロジェクトなどをしているということだったのです

人工土地、建築好きの人の間では有名なのですが、実は地元の人もほとんど知りません。
私はたまたまワンダーJAPANって雑誌で見て記憶に残ってたので、去年香川県の友達に連れてきてもらったのですが、その友達夫婦も知りませんでした。

ワンダーJAPAN vol.09
三才ブックス
2015-12-22





(この雑誌に載ってると思う・・・ワンダーJAPANで見たかどうかも、実はうろ覚え)

セッケイブさんによると、近所の人でも「変わった建物があるな~」ぐらいの認識しかないとのこと。
風景になってしまうとそんなもんかもしれませんね~・・・

香川県民がこの建物を知らないなんて、高知県民がカツオのたたきを食べたことないってゆーぐらいもったいないレベルやと思うんやけどなぁ


そこでアートプロジェクトのテーマに、こんな一文があります

「遊び場」というキーワードに特化して人工土地の再生プランを考察します。


・・・私は勝手に、「いかにこの人工土地ってゆーワクワクする空間で遊ぶか考えよう!☆」って意味だと解釈しました。

アーケードの中には他にも出展しているグループがいて、

サバゲーをする
鬼ごっこをする
お化け屋敷
・・・

などなど、いろんなアイデアを書き留めて壁に貼っていました
そーゆうアイデアを模型の上で形にするそうです

でももし実現できそうな内容だったら、いずれアートプロジェクトで実現するかも・・・?しないかも・・・?みたいな。

夫は「市民ホールの上の階段状の住宅の最上階をアクリル板にして、ハマチの養殖をする」なんて言っていました(笑)

*養殖ハマチとアクリル板は香川県の主力産業であります
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●ってわけで、あたしも勝手に考えた☆
あたしが人工土地でやりたいことは是だ!!


①人工土地内スタンプラリー

地図を持って、人工土地内の面白い模様や形を見つけながら歩いてもらう
見つけたら地図に数字を書き込んでいく

さらり(初級)コースとがっつりコースがある。
がっつりコースやったら見つけなきゃいけないポイントが20個以上あって、だいたい1時間ぐらいかかる。

景品は、その年のアートプロジェクト限定グッズ(シールとか手ぬぐいとか)、またはなくてもいいと思う。
コンプリートしたってゆー達成感が報奨みたいなもんだから。


②四角いスロープで流し素麺

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人工土地には四角形の螺旋?スロープもある。そこから自転車やバイクが上り下りしているのです。
その長~いスロープを使っての流し素麺

もちろん素麺は香川県小豆島産の“島の光”だ!!
醤油も小豆島の醤油会社から!


・・・でもぶっちゃけあたしはねぇ、素麺は普通に食べたほうが美味しいと思うぞ
流れてる間に麺伸びるし、つゆはすぐ薄まるし。
どーせ中間の人はすくえなくて 最後のバケツの上にいっぱい溜まった素麺を食べるハメになるんだ


・・・ってゆー無粋なことは言わないけど!!!
あたしは!!!


③お化け屋敷

お化け屋敷、すでに出てたけど楽しそう~

人工土地はほんと別世界な雰囲気あるので、人工土地を丸ごとお化け屋敷にしちゃったら楽しそう

来場者もハロウィンみたいにコスプレ歓迎で、
空き部屋をお化け屋敷にする以外にも、妖怪とかホラー系が得意なイラストレーターや漫画家にイラストを描いてもらって展示する部屋があったりとか。

そんで、展示が終わったらオークションをして、売り上げを人工土地内のことに使ってもらうの。
藤田和日郎のイラストがあったら見に行きたい



・・・こーゆうアイデアをいっぱい詰め込んだ人工土地模型、見るのが楽しみやなぁ

将来、人工土地が残っていれば、いっぱい壁に貼ってたアイデアのいくつかがVR(バーチャルリアリティ)で実現するかもしれませんね!


それと、別の企画で“空き部屋の窓を飾ろう”ってプランもありました。

障子が破れてる空き部屋がいくつもあって、それがよけい人工土地を廃墟っぽく見せているので、

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障子に生活音を印刷した紙を貼って、
来場者が窓を見るたびに 昔の賑やかだった人々の営みに思いを馳せれるような、そんな企画です。

そのデザイナーさんのギャラリーでは、窓に生活音を印刷するってゆー、斬新でちょっとクスリとしてしまうアートプロジェクトが実現するよう、市長へのプレゼン資料を作っている最中でした。



アートって年によって毎年内容が変わるものってイメージがあったんですけど、
坂出アートプロジェクトは内容が去年からの地続きのように感じました。
初めて見に来た人でももちろん楽しめるし、
去年を知っている人はプロジェクトの内容が進化しているさまも楽しめるのです。


来年の坂出アートプロジェクトでは、人工土地の窓がたくさんの音やコトバに飾られていることを期待したいと思います^-^




<坂出アートプロジェクト2017>

会 期 /2017年8月12日(土)〜9月10日(日)

開館時間/11:00-18:00
(最終受付は17:45まで、月曜休館・祝日の場合は開館)

会 場 /坂出人工土地(香川県坂出市京町2丁目坂出人工土地1階)

アクセス/JR坂出駅より徒歩約2分

入場料 /無料

駐車場 /JR坂出駅北地下駐車場(有料)、イオン坂出タイムズ(有料)など

主 催 /坂出アートプロジェクト(坂出市にぎわい創出認定事業)
協 賛 /香川大学工学部 藤井研究室、(公社)日本建築家協会香川地域会、(一社)四国クリエイト協会

アクセス/https://www.google.com/maps
お問合せ/art.sakaide@gmail.com

HP:https://sakaideart.tumblr.com
FB:https://www.facebook.com/sakaideart/