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LDR室の狭いベッドで、波のように訪れる生理痛のような下腹部の痛みをこらえながら、私はやっと悟りました。

これ、陣痛なんだ!!

見回りにやってきた助産師さんに報告。

「腰は痛くないですか?」
と聞く助産師さん。

へ?腰?そんなとこ痛くなるの??お腹だけやけど・・・。


痛みはだんだん厳しさを増していきます。
三時ごろには助産師さんの予言(?)通り腰も痛くなってきました。

「お産ゆっくり進んでますからね~。」

なんて言う助産師さん。

ゆっくりですか・・・。

ゆっくりですか(T_T)


私は普段生理痛もほとんどないですけど、若い頃は貧血で倒れかけたり、あまりの痛みに吐いたりしたこともありました。この陣痛のきつい痛みに、久しぶりのリバース!!裸足でトイレにダッシュして間一髪でした。

助産師に報告すると、「いい陣痛が来てますねぇ^^」とまさかの褒め言葉。
そんなもんなの??


身体の奥から押し寄せる厳しい痛みに、助産師がいなくなると枕を叩いたり足の指をごにょごにょさせたり、なんとか痛みを逸らそうと必死な私。

しかし、何をしても、痛い!



助産師が来てくれては腰をマッサージしてくれます。
これがあるとないとでは大違い。
付きっきりではいられない助産師に替わって、実習生が温めた保温材のようなもので腰をさすってくれました。


これが気持ちいいのなんのって!!!

ビーズクッションに身体をあずけて、温かいもので腰をさすってもらうと、痛いはずなのに身体の力が抜けてリラックスしたまま、陣痛をやり過ごした自分がいました。

研修生のこのサービスが、
私を開眼させたのです。



それからは、陣痛が来るたびに身体の力を抜いて、呼吸で陣痛を逃すことができるようになりました。

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痛みで息を止めたくなるけど、赤ちゃんに酸素をプレゼントしなきゃ。
それにどうやっても痛いんだから、できるだけ体力を温存しておくために無駄な動きはしない。

「すごいです、薬使わなくてもお産が進みそうですね!」

「陣痛すごく上手に逃してますよ~。」

助産師さんたちもリップサービスの嵐。

もっと褒めて!!!


陣痛の合間は普通に息をして、陣痛が来ると

「フーーーーーー。」

と大きく息を吐きます。その間ずっと助産師さんや研修生が腰をさすり続けてくれました。

そんな時、ふと思います。

私はたまたまお産が立て込んでないから、いろんな助産師さんにずっとついてもらえてるけど、一人で陣痛に耐えなきゃならない妊婦もたくさんいるってこと。
この痛みをたった一人で耐えるなんて辛すぎる。

最近読んだ本に、「人間は一人でお産するのは向いてない」って文があったけど、本当にそうだよなぁと思いました。
支えてもらって、励ましてもらって、少しずつ進んでいく先の見えないお産の恐怖と、その先に待っているだろう喜びを信じて、必死に頑張るだけなのです。


7時ごろに夫が病室に到着すると、昨日まで「陣痛こんし平和の極みよ♪」なんて言ってた私が、床に敷いたマットレスの上でビーズクッションに身体をあずけ、息も絶え絶えになっていました。
この時は1分とか2分間隔で陣痛が襲ってくるので、話もまともにできません。
陣痛の間も痛みの余韻みたいなのがあって、痛みが続くのです。

「痛い?」

と聞いてくる夫に、

「見りゃあわかるだろバッカ!!」

と返したいところですが呼吸以上の余裕がなくて、

「うん。」

と言うのが精いっぱい。


そのあと主治医の内診によると、子宮口は8~9センチ開いているが、上のほうがまだ閉じていて赤ちゃんの頭が引っ掛かっている状態、とのこと。

夫がマッサージを替わってくれ、男の力でぐいぐい腰を押してくれました。

「なんか腰の骨の形がいつもと違う!」

と夫。

「赤ちゃんが下りてきてるからですよ~。」

との助産師さんの言葉に、そういえばいつの頃からか、お腹の痛みが消えていることに気づきました。
痛みはすべて腰に集中しているのです。



そして、だんだん陣痛のたびにいきみたくなってきました。

赤ちゃんが私の骨盤を押し広げる力、出てこようとする力はすさまじく、とても抗うことはできませんでした。
産まれたらあんなに非力ではかない赤ちゃんの、


「絶対に産まれてやる!!!!」

というパワーに圧倒され、痛みのさなかでも感動してしまうほどでした。


重力を使いたくなり、夫につかまって膝立ちすることに。
そのまま腰を押してくれる夫。
その姿勢はすごく楽でした。分娩台に乗らずに、お産もこうして好きな体勢でできたらいいのにと思いました。


夫婦でお産に立ち向かうこと数時間。
主治医の内診からは1時間後ぐらいだったと思いますが、絶対に子宮口が全開だと思ったので、助産師に見てもらいました。

内診した助産師さんは、

「おめでとうございます~

とめっちゃ笑顔。

周りはわたわたと出産の準備に入り始めました。


つづく!
 

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